白チャート例題155

検定をExcelで発展的に解く方法

(数学Aで述べられている二項定理の知識が必要です)

1. 問題

ある会社では既に販売しているボールペンAを改良し、新製品ボールペンBを開発した。
これを無作為に選んだ被検者20人に「どちらが書きやすいか」を答えてもらったところ、
15人がBを選んだ
この改良によってBが書きやすいと判断できるか、有意水準5%で検定せよ。

2. 有意水準とは?

有意水準とは、「偶然に起こる確率がどのくらいなら偶然ではないとみなすか」という基準です。
ふつうは 5%(0.05) を使います。
つまり「偶然に起こる確率が5%以下なら、それは偶然ではない」と判断します。

3. Excelでの設定

項目
試行回数 n20
Bを選んだ人数15
仮定確率 p00.5

セルに次を入力:

=1 - BINOM.DIST(14, 20, 0.5, TRUE)

3-1 Excel式の意味

計算結果:p値 ≈ 0.0207

3-2 判断

4. 棒グラフの作り方(Excel)

  1. 下のリンクからCSVをダウンロードし、Excelで開く。
  2. A列に人数、B列に計算式が入っており、Excelが自動で確率を計算する。
  3. A列とB列を範囲選択し、[挿入] → [縦棒グラフ]を選ぶ。
  4. グラフタイトルを「Bを選んだ人数の分布」に設定。

4-1. 15以上の人数を赤色にする方法

棒グラフを作ったあと、15人以上の棒を赤く塗ると、検定の範囲が一目でわかります。

  1. 棒グラフの中の棒をクリックし、全体を選択します。
  2. もう一度15の棒をクリックして、その棒だけを選択します。
  3. 右クリック → [塗りつぶし] → 赤色を選びます。
  4. 同様に16〜20の棒も赤色に変更します。

これで「15人以上がBを選んだ」部分が強調され、p値の範囲が視覚的に理解できます

4-2. 練習用データ(CSVファイル)

下のリンクからCSVファイルをダウンロードしてください。
このファイルには「人数」と「計算式」が入っており、Excelが自動的に確率を計算します。
binomial20.csv をダウンロード

5. 重要語句

6. 参考:二項分布と二項検定

二項検定は、二項分布を根拠にしています。
帰無仮説(p=0.5)に基づいて二項分布から確率を計算します。
この確率が有意水準より小さければ「偶然ではない」と判断します。

P(X = k) = C(n, k) × pk × (1-p)n-k

7. 自分で考えてみよう

今回の例題ではボールペンを使いましたが、二項検定はさまざまな場面に応用できます。
「味覚テスト」「スポーツの成功率」「コインの公平さ」など、
自分で題材を決めて、同じ手順で検定してみましょう。

8. まとめ

偶然に20人中15人以上がBを選ぶ確率は4人で約2%しかない。
有意水準の5%より小さいため、改良による効果は偶然ではなくBが書きやすいと判断できる